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今回はライカのⅢbをオーバーホールします。
このバルナック型は、私が20代の時に初めて購入したライカです。
大きな問題なく8年過ぎましたが、購入当初からスローの精度がいまいちで、だましだまし使ってたのですが、幕の劣化も進み、光線漏れしそうな状態になって来ましたので、今回オーバーホールすることになりました。

分解する前にフランジバックを測定しておきます。
なかなかいい数値が出てます。
シャッター交換の為にシャッタードラムまではずした状態です。
ここから各部を清掃、グリスアップしながら組み立てていきます。
古くなったシャッター幕をドラムから取り外します。
かなり幕の劣化が進んでますね。
もっと劣化が進んだ物はガーゼみたいに向こう側が透けて見えてしまいます。
幕を引っ張る側のスプリングドラムを分解したところです。
清掃し、グリスアップします。
グリスは塗りすぎると、シャッターの精度むらの原因になってしまうので注意が必要です。
もちろん、グリスの種類も場所によって数種類を使い分けます。
このドラムがシャッターダイヤルの真下に付いています。
バルナック型はこいつが回るのと一緒にシャッターダイヤルがまわります。
軸にオイルを注しているところです。
一人で作業しながらデジカメで撮っていますので、多少不自然だったり、ぼやけてたりしますが気にしないで下さい。
シャッタードラムの次は、巻き上げ軸の清掃とスプールトルクの調整をします。
スプールトルクが適正でないと巻き上げに不具合がでたり、巻き戻しが重くなったりして、フィルムを傷めてしまう原因になります。
シャッタードラムや巻上げ軸を取り付ける前に、古くなったグリスをしっかり清掃し、新しいグリスを塗っておきます。
画像に様に、古いグリスは真っ黒になってます。
組み立てた部品を取り付けて行きます。
ここまで来たら、いよいよ新しいシャッター幕の取り付けです。
シャッター幕を張った状態です。
スローガバナーの清掃です。
機械式のカメラはスローシャッターを切ったときに「ジー」って音がしますね。
それは、このスローガバナーから聞こえてくるのです。
あの音を聞くのが好きって人は、かなりいるはずです。

Ⅲbのガバナーには、オイルを注してはいけない場所があります。
注してしまいますと、ガバナーが滑ってしまい、スローの精度が出ません。
注しすぎには注意が必要です。

ファインダーのプリズムを清掃します。
カビはありませんでしたが、若干くもっていましたので、念入りに拭きます。
二重像が薄く、ピント合わせがしづらかったので、ハーフミラーも新しい物に交換します。
ファインダーを取り付けた状態です。
画像がピンボケで気持ち悪いですね。
シャッター調整をします。
画像は1/1000でシャッターを切った時の数値です。
最終組み立ての前に、巻き戻しノブを清掃し取り付けます。
かなり汚れていました。
テレビショッピングみたいに右半分だけ清掃してみますと、画像の様に汚れっぷりがよく分かります。
ほぼ完成に近づいて来ました。
距離計を調整する前に、フランジバックを確認します。
調整の必要は無いようです。
コリメーターを使い距離計を調整します。
最後に底蓋の開閉ノブをグリスアップし、動きの硬さを調整します。
オーバーホール完了です。

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