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今回ご紹介するのは、コニカⅠ型です。
コニカⅢはよく修理をお受けするのですが、Ⅰの修理はなかなかありません。
コニカⅠです。
シンプルで格好がいいですね。
上カバーに「Made in occupied Japan」の文字が刻印されています。
戦後すぐの「占領下日本製」という意味です。

シリアルナンバーはオーナー様のご希望で消しています。

上カバーを開けたところです。

これまたシンプルです。

レンズを外してレンズシャッター部の分解の準備をします。

この状態まではかなり簡単に分解できます。

レンズ部をヘリコイドとシャッターユニットに分けたところです。
いよいよ修理って感じになってきました。
レンズシャッターの内部です。
されに絞りとシャッター部に分けたところです。
今回のカメラは絞り羽根やシャッター羽根に油はまわっていませんでしたが、汚れとさびが浮いています。
一眼レフですと絞り羽根は6枚が一般的ですが、私はこの10枚並んだ絞り羽根を見ると、写りの良さを期待出来せずにはいられません。

同じ形の羽根が10枚。

上の画像のような元の状態に組み上げるのは、一苦労です。

錆が浮いていますので、一枚ずつ拭いていきます。

絞り羽根の次はシャッター部にかかります。

ざっと分解してから、パーツとひとつずつ清掃しながら組み立てていきます。

パーツが組みつけられている軸は、随分と汚れています。
スローガバナーのゼンマイ部分が変形して、動きが悪くなっていましたので、修正して組み立てます。
次はヘリコイドのグリスアップです。ヘリコイド越しに絞り羽根とシャッターユニットが組みつけられてヘリコイド完成を待ってます。
古いグリスを綺麗に落としてから、新しいグリスを塗ります。

カメラ修理は同じ作業の繰り返しをシャッターユニット、絞り、巻き上げ、巻き戻し、ヘリコイド、全ての箇所にしていくのです。

レザーの浮きが無いかチェック。
浮いている場合はボンドを流し込み接着します。
相変わらずで申し訳ありませんが、レンズ拭いたりする部分の画像が無いですね^^;
組み付けが完了して気づきました、、、

この状態でシャッタースピードのチェックをします。
もちろん、ずれている場合は少しばらして再度組み付けてチェックの繰り返しです。

レンズピントの調整もします。
レンズのピントを合わせておかないと、ファインダーでピントが合っていても、写真はピンボケです。

巻き上げ軸です。

この部分の汚れがどのカメラも一番ですね。
特にこの個体はグリス切れが激しく、金属粉が付いてきます。
わかりにくいですが、確認できますでしょうか?

裏蓋の開閉部も分解清掃グリスアップ。
巻き戻し軸も同様。
やっとファインダーまでたどり着いてきました。

随分と汚れています。

ファインダーを覗くと、ぼやけて見えます、、、

これでは、気持ちが悪くて外出に連れて行く気が無くなってしまいます。

今回は2重像を映し出している、「ハーフミラー」の汚れがひどかったので交換しました。

なんと綺麗!

ファインダーを覗くのが楽しみになってきます。

いいですね!

テレビを観るのもファインダーを覗きながら観たいぐらいです。

気持ちよくなったファインダーで、距離計をあわせます。

完成です。
機会があればコニカⅢ等を紹介できれば、比較ができて面白いかと思います。

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