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今回はWIDELUX(ワイドラックス)F6Bの修理を紹介致します。

フィルム上下をマスクする簡易なパノラマではなく、本格的なパノラマカメラです。
ワイドラックスF6Bです。

レンズを左右に振ることでパノラマ撮影をする特殊なカメラですので、街中でお使いになられているのを見る事はほとんど無いのですが、好きな方は本当に好きというカメラかと思います。

使用フィルムは一般的な35mm(135フィルム)です。

上から見ますと回転するレンズ部分が丸く出っ張っているのが面白いですね。
下カバーをはずしたところです。
レンズユニットを回転させる為のボール軸受が見えます。
上カバーを外しますと右側に巻き上げユニット。
左側にシャッター速度の制御部分(ガバナー)。

中央に巻き上げとレンズユニット、そしてガバナーをつなぐ大きなギヤが見えます。

ギヤの下にゼンマイがあり、その下にカメラ下側と同様にレンズユニットのボール軸受があります。

ファインダーは上カバーに付いて一緒に外れます。
ガバナーを取り外したところです。
今回の修理ではシャッター速度切り替え不具合とご指定がありました。

赤丸部分のギヤの固定が緩み、斜めになっているのが不具合の原因のようです。

各部の整備の為、ざっくりと分解したところです。

レンズは丸い筒に入っています。

画像上がフィルム側になり、光を通すスリットが見えます。
レンズを取り出します。
レンズ清掃を行ないます。
絞り羽根に油の滲みがあり、こちらも清掃を行ないます。
下側のボール軸受です。
上下とも清掃と注油を行ないます。
レンズ部分の整備が終わりましたら、巻き上げ部分の清掃とグリス入れ替えを行ないます。

お客様から巻き戻しがかなり重いとお伺いしておりましたが、グリス入れ替えにより解消いたします。
次に不具合がありましたガバナーの清掃とグリス入れ替えを行います。

ガバナーの上カバーをはずしたところです。

赤丸部分、ギヤ軸を固定している部品が無くなって不具合が出てましたので組み上げ時にネジを補充します。
各ギヤを清掃。
最後にファインダー清掃行ないます。
見た目は特殊なカメラ感がいっぱいですが操作自体の難しくなく、使うと楽しいに違いないと強く感じるカメラでした。


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